昔、何かのレビューに書いてあった。
この作品を見たいと思う時は既に病んでる、とか、見たら病む、とか。
見終わった自分はこう思う。心配されるような心の病じゃなく、「鬼頭作品の世界に飲み込まれる病」だと。
他の漫画とは全く違う何かが、鬼頭
作品にはある。線の細いキャラクター、展開の読めないストーリー、かわいさと残酷さが表裏一体の世界。
異質で、異形で、個性的に見える作品だけど、実はとっても現実に近いものなのかもしれない。
近年は少し作風も変わってきて、ややマイルドな印象だが、この「なるたる」や「ぼくらの」の頃はまるで鋭利な刃物のような感じ。
傷痕しっかり残して、えぐられる。
漫画に、何を求めるか。
それによっておすすめ加減が違ってくる。
頭空っぽにして「娯楽」として楽しみたい人には不向き。
友情とか愛情とか根性とか、ハッピーエンドを求める人にも不向き。
読み終わった後に色々考えさせられたり、消化不良な感じが好きな人にはおすすめ。
単に、グロとか陰惨なものを求める人も十分楽しめるだろう。
今までにない凄い漫画を読みたい!という人には、かなりおすすめ。
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