初読み作家さんです。題材は難しい特殊能力ですが、上手くBLとマッチされていて面白かったです。人の心の声が聞こえてしまう不思議な能力。使いようによっては、良いこともあるでしょうが、大抵は聞きたくもない人の腹の内が聞こえてしまう厄介なもの。きっと神経すり減らし疲れてしまいそう。良かれと思ってした事が、逆に働き仇をなす。そんな能力のせいで、大事な思春期の時代に友達を失うなんて、辛いし、人との関わりが怖くなるでしょう。ましてや恋なんて………
人間不信のまま大学生活を送る中、三浦は無口な阿部と知り合います。この阿部くんが、物凄くピュア。誰しも表裏の感情を持っていますが、阿部くんは人に負の感情を抱かない、とっても素直で優しいいい子です。もう三浦の事が好き好きで可愛い。そんな彼との出会いが人生の転機となります。やがて、阿部くんに能力がばれ、普通なら怖いと思うんです。お互いに、聞かれたくない、聞きたくないという葛藤が生まれても不思議じゃない。だけどこの二人の間には相手を信頼する強さや、支え合う思いやりがあるんだと思います。素敵な出逢いに巡り逢えて良かったですね。どんな事も二人で乗り越えて欲しいなぁ。