無料分を読み、後のストーリーの伏線となるシーンが気になり全巻購入に至りました。
タテ読みを生かしたストーリーの間の置き方が絶妙で、キャラクターの心理描写にはさらに強く情緒を感じます。
過去のシリアスなシーンは淡々と描かれ強い衝撃はなく、後からじんわりと響きわたり、作品全体を通してさざ波のような穏やかな雰囲気がありました。
苦しんだ過去を引きずるハギョンと、苦しんだ末に記憶を失ったユンソンですが、それを感じさせないくらい穏やかな人柄があり、特に目の印象が強く残ります。この二人が出会うきっかけを作ったのも結末に至る展開をもたらしたのもユンソンのおじいちゃんというところに胸が温かくなりました。
ふたりの物語だけど、家族愛もテーマになっているというところで、障害となる人物はいても真に悪い人物が一人もいないという稀有な作品でもあると思います。
激しい勢いも、ねっとりとした執着もないのに、読み終えてからの余韻がずっと続いている不思議な作品でした。