もうたまりません。癖と感情を激しく揺さぶられました。
王道とは程遠いけれど好きな人はめちゃくちゃ好きであろう作品だと思います。
愛する人とつながる形は一つとは限らない。
歪ではあるけれどそこに秘められた狂おしさが眩しくて震えます。
泣ける類の話でないのかもしれませんが涙が・・・ぼろぼろ泣いてる自分にびっくりしました。
空木の存在が一見不純物になりそうなのに彼の存在が物語に奥行きを与えていて、そう来たか!と思う展開でこちらが為すすべもなくでりこ先生ワールドに連れていかれる感覚。凄い!!
もう一つ短編が入っていて、こちらも表題作に負けず劣らず素晴らしい。
正毅の気持ちがやりきれなくて・・・もう涙腺おかしい。
短編とは思えないほど深い、深すぎる大人の歪な純愛。
どちらも説明されているようでしていない感情が多くあります。
だからこそより深く響いてくるそれぞれの愛の深淵と精神的エロスに感動!
こういう感情の動き方は久しぶりで、やっぱりこういう作品好きなんだと再確認できました。
読後に他の方のレビューで10年近く前にアワード異色ランキング6位だったと知り納得しました。お気に入りに登録したまま中々購入しなかった期間が悔やまれましたが、きっと読むべきタイミングがあるのかな・・出会えてとても嬉しい名作です。