「赤ずきん王子」→まず表紙が凄い。赤ずきんベースの話。目が赤いせいで、陰口や奇異の目でみられる王子リル。天然で真面目、世間知らずなお坊っちゃま。森で三人にさらわれ襲われた時、謎の異人・クラウス(オル●ェウスとエ●イカを思い出す)登場。
クラウスに想いを寄せる一方で、知らない事実を突きつけられるリル。さらにリルが贄に選ばれ……。後半は結構意外な展開。女王もクラウスも思っていたのとは良い意味で違いつつ、少し作者の薔薇シリーズっぽさもありました。
「眠れる森の王」→ 愛し合う薔薇の妖精フィセと騎士のスペンサー。しかしスペンサーはクズですクズ。裏切られたフィセが咲かせるのは黒薔薇のみ。スペンサーがあの手この手で白薔薇を咲かせようと懐柔。ついには実子のオーレリアンまで使う始末。
しかしオーレリアンは純粋一途にフィセを慕い、拒まれてもめげずに愛を貫く男!それでもフィセはオーレリアンを信じられず傷つけてしまい……。眠るオーレリアンを見守るフィセの覚悟。
悠久の薔薇である金色の薔薇が咲くのは、真実の愛で満たされた時。クズ父の血を引いているとは思えない程、オーレリアンが健気過。その強い思いが最後の最後で花開く!