よくある平凡ヒロイン(といっても何故かモテてるとか実は美人とか)とイケメン御曹司とのスイーツ恋愛かなと思いつつも、この作家さんならそれなりに読みやすくまとめてらっしゃるかなーと思ってました。
読んでみて、もちろん恋愛もかなーーーり非現実的で現実逃避したいときに程よい甘さで良いのですが、それとは別ににお仕事の描写が良かったです。
けして大成功を収めるサクセスストーリーとか、バリキャリとかじゃないんですよね。
地道に技術職に従事するヒロイン。
TL?乙女小説では意外とないかなと思います。
こういったジャンルの小説ってヒロインがお仕事していたとしても、本当ご都合主義のキャリウーマンもどき(実際に会社勤めしている人からしたら違和感ある仕上がり)か、逆に総務事務とか営業アシスタントとか、事務職かアシスタント職でやたらコピーやお茶汲み、資料室に出入りしてるばかりのキャラクターが多いので。
それか、オフィスから離れて手に職系ですかね。
とにかくこのヒロインの柚希は地味に技術職を全うし、誇りをもって仕事をしています。
で、結構メーカー系会社にはありがち?なのか、稼ぐ部門(技術職)と使う部門(研究職)の在り方。
これ、私もよくわかりますー
私も所謂稼ぐ部門にいます。
どれだけ売上に貢献しても、最先端テクノロジーに触れたりと広報的に派手な研究部門ばかりフィーチャーされるんですよね。
最初に始める・手を出すことよりも、会社の製品やサービスとして体制を整えて収益化させていき、それを保つことが大変なんですよ。。
投資して、回収できなきゃ次の研究できないでしょ。。
地道なことですが稼ぐ部門の貢献をきちんと見てほしいですね。
そんな、柚希の仕事への思いに応えるように、ヒーローの高梨はきちんと見ているんです。
柚希との同棲まではかなり強引でしたしやたら嫉妬深いのですが、きちんと人や物事の本質を見る、素敵な男性ですね。
最初は偏見の目で見ていた柚希ですが、御曹司でありながらも傲慢なところのない高梨に惹かれてしまうのは当然かなと。
しかし、お互いがお互いの気持ちに鈍感すぎる。
高梨は意外と自分に自信がないのかも?
全体を通して恋愛部分等ご都合主義なところも多いのですが、お仕事はリアル感もあり良いバランスでした。
恋敵たちもそれぞれ嫌な部分もあれば気持ちの良いところもあり良かったです。