最初ははシオンがとても嫌な奴で、「本当にこの作者さんの話?」と疑うほど。六青さんの書く健気受けが大好きなので、この美しさ以外に何もないシオンをどうしても好きになれず、挫折しかけてはレビューを読み、「いや、これだけでは終わらないはず」と信じて読み進めました。やっぱりどんどんおもしろい展開になり、最後は睡眠時間を削って読むほどハマりました。苦しさの中でシオンが思いやりや感謝や優しさを身につけていく過程がすごく読み応えのある物語で、「気づき」「生き直し」が緻密な構成の中に散りばめられています。それにしても攻めのグレイルが魅力的ですね!シオンじゃなくてもやられます。ハラハラする場面があまりにも多くて、小休止できるページがありません。休日の読書スタートをお薦めします。