月村さんの描く、モダモダの受けがとにかく好き。手仕事系の割合も高くて大変好ましい。今作の春音もそんなモダモダ手芸男子です。日々編み物をして過ごしています。手芸屋さんを営んでいるゆえに、「どんぐり通貨」(春音はどんぐりを見つけると拾わずにはいられないという子どもに罹患率の高い病にかかっている)とか、あざといほどにかわいいシーンが出てきて、「こんなん、惚れるしかないやろー」って気持ちになっちゃいます。物語の冒頭で、「あ、これ両片思いね」と読者には分かり、互いの好意に気付かないのは互いだけというあるある展開ですが、ナチュラルな彼シャツシーンや壁ドンなどが用意されていて、乙女心は確実につかまれます。でも「どうやってこの2人、くっつくのかな〜?」とラストまで楽しめます。