表紙の雰囲気とは裏腹に、割と深刻なトラウマを抱えた主人公のお話でした。高校生同士のふざけた会話の裏で、主人公のチカが過去に囚われて自分を縛り続ける様子は、読んでいて胸が痛みました。暗くなりがちなテーマですが、チカを見守り支える仲間たちの温かさや、惠純の真っ直ぐな想いが、物語を全体的に希望にあふれるものにしているように感じました。
今まで読んできた暮田先生の作品が、偶然だと思うのですが、受けが周りの人からめっちゃ愛されてるものばかりで、とにかく受けが超可愛いんですよね。周りが過保護になるのも頷ける。今回のチカも、反応がいちいち可愛すぎて、「なんなのもう!」って感じでした。チカの周りのキャラ達に共感しながら読めるなら、更におもしろく感じると思います。