顔も体も細長い、等身が10とか11もある細長系少女漫画は避けていたのですが、前話無料で読んでみて、ハマりました。面白かった。
最初は芸能ものでしたが、序盤の方で役者・演劇漫画に変化。
「花ゆめ」で演劇漫画。これって結構なチャレンジです。
何故なら花ゆめは、「ガラスの仮面」の掲載紙。
誰にも越えられない域に達した不朽の名作、演劇漫画の金字塔が先にあるからです。
しかし、ガラスの仮面に負けずと劣らない演劇シーンを見せてくれる。
こうして見ると、第一話の、内に秘めた開かない箱は、ガラスの仮面の、内に秘めた情熱のオマージュのような気がしないでもなく、作者は分かってチャレンジしているのが見て取れます。しかし、ガラスの仮面と同じものを追及しているのではない。
ガラスの仮面の主軸は演劇論でしたが、この作品はエンターテイメントに徹している。
常識的に考えてあり得ない展開(ヒール兄妹)も多々あるけれど、読者が楽しめる展開であり、普段は口うるさい私も、面白いからおk、と楽しめます。
念や生き霊を飛ばしてしまうけど、実はメルヘンチック・・って、どういう事ですかと思わずツッコミを入れたくなる主人公のキャラクター。社長や作画、尚や蓮との絡み、随所に、高いエンターテイメント性を感じます。そしてアクションシーンでよく分かるけど、メチャクチャ作画能力高いんだよね。
読者に楽しんでもらいたいというエンタメ精神、今までにないオリジナルな物が描きたいというプロ根性、作者の少女漫画家としての意地と誇りで描かれた、ガラスの仮面とは違った角度の演劇漫画でした。
野心を持つ主人公=作者のような気がしてなりません。