唯一の身内が亡くなり、天涯孤独となった修一郎。山伏の格好をしている天に山中で助けられ、一緒に暮らす内に不思議な縁が明るみになっていくのですが、天の素性を知ると気の毒になります。どの様に生きて、どの様に天狗になったのか…お稚児制度の洗脳さにもこの時代の色情坊主が最悪だと思わせます。坊さんの方が外道だわ。そしてこの修一郎、幼少の頃から霊的なものが見えたりしてあちら側と接触しやすいのですよ。それは前世の影響なのかな?と思わせるのですが、お話的にそこまで重要なポイントなのかなとちょっと不思議に思って読んでいたのですが、読後にもしや…と。神隠しにあった人はもう人ならず世界に行ってしまった等という説もありますが、そうなったのかなとも想像できます。修一郎と天、どの様にこの先一緒に過ごすのか、これからという所での終わりは童謡と同じで読者の想像で広がっていきますよ。
もしかしたら修一郎は天と自ら関係をもった事で外道になってしまったのかもしれない。幸せな外道だな。