通販番組の商品をテーマに5CPのそれぞれの愛の形を描いたオムニバス短編集。
最初のCP以外は過去作品の登場人物のその後を描いていますが、そのお話を読んでいなくても十分楽しめる内容です。それは、通販番組という一貫したテーマが上手く作用しているからだと思いました。各CPの過去を知らなくても、その通販商品に対してのやりとりがとても面白く、それだけで関係性が十分分かるように描かれています。商品自体はとってもくだらないですが、そんなものにも頼りたくなってしまう恋人たちの心情が上手く表現されているので、とても面白く読めました。これこそオムニバスの見本とも言える短編集のあり方だと思います。また、過去の作品を読むと各CPの関係性がより深く理解でき、読み直すとまた違った視点で楽しめるので、一冊で二度楽しめるお得な作品です。