ガチ兄弟だの、にーにバカ過ぎだの、物議を醸している本作ですが、私はすごく好きな作品です。
家族とシュレーディンガーの猫について話をしていて、そういえばマキネ先生が描いていたなーと思い出し再読しました。
しかし量子力学は全然知らず、ヲタクとしての知識しか持っていません。
巻末の解説を読み、少しでもマキネ先生の意図を汲み取れたらいいな〜と思う程度です。
そしたら随分前にフォローさまがレビューで書いて下さってて、さすが!の思いです。いつもありがとうございます。
「相反する事象が重ね合わせの状態」が入れ子のように表現されているんですね。
この組み立て方が読み手の感じるハラハラ感に作用して作品に釘付けしてしまうのでしょうか。
弟の秀臣がにーにに全振りしていて、後の事は毛ほども頓着していないが為に、精神的に幼いままでいる。
それが哀れで痛い。
同時にふわふわ仲良し兄弟が本当に子ども同士であり、内包している闇は観測されず重なり合った状態で閉じている。
しかし、にーには箱(扉)を開けて観測してしまった。
自分がどう生きるか決定してしまったわけです。
その上で敢えてまた箱に閉じこもる選択をしたところが、ガチ兄弟と言えど嘘のない愛を実感させてくれます。
そんなこんなで、にーにのカワイイちゅーちゅーも見れた訳でして。
側から見ればバカげた日常を、にーにが愛を持って続けていくんですね。
コレを尊いと言わずして何と言うのでしょうか?
巻末に同人誌として描かれたパイロット版が収録されています。
本編のややこしさは、パイロット版部分を除いて考えると解りやすいかもです。