最後まで描き切ったことを賞賛したくはあるけれど、広げた風呂敷の畳み方が良かったかと言われるとそうではない。
カミキヒカルというせっかくのモンスターの扱い方が雑で、アクアの選択が説得力を持たないセンセーショナルなだけの結末になってしまったのはとても残念。ツクヨミという端境の存在も、やや手に余ってか狂言回しとしての機能が空回りしているようだった。あの存在の使い方によっては双子の転生にもっと説得力を与えられたのにとこちらも残念。
メインのサスペンスストーリーがあり、そこにエンタメ業界のあれこれをふんだんに詰め込み、おそらく作者様の描きたかったのはメインではなく枝葉の部分だったのかなと考えると色々と腑に落ちるような気がします。
メインストーリーのエンディングにカタルシスを求められる作品ではないので、経過の章立てエピを楽しむ読み方をするが吉