人間と吸血鬼との恋愛ものは飽和状態といえるが、この作品は主に吸血鬼の世界に焦点を当てた、オシャレな乱行BL。
上品に言い直しますと、スピンオフで独立させる必要がなく、同時進行で複数の人間模様を楽しめる群像劇。
まず吸血鬼になりたてのエンとその保護者イチイのカップリングからドラマティックに物語はスタートしますが、3巻から先は誰が主人公になってもおかしくないほど誰にでも主役フラグが立っており、登場人物はおしなべて美形。ダビデ像のような肉体を持つ美男と女神のように妖艶な美女しか出てきません。
そして不死と引き換えに色々なものを失った吸血種族の悲哀や軋轢やらがサスペンス形式で明かされていき、ストーリー的にものすごく先が気になる進み方。
肝心の恋愛エロ要素もしっとりうっとり散りばめられていて、BL熱も満たされる。
ひとつだけ注意点があるとしたら、頻繁に血が出ることです。
キャラの身につけるブランドや小物は既視感があり、何もかもがとにかくオシャレ。
今後も読み返すのはもちろんのこと、本棚に置くというか飾っておきたいお気に入り&おすすめシリーズ。