かなり前に特徴的な表紙が目に留まったものの、当時はさほどBLに興味を持っておらず…。試し読みもせずにそのまま忘れてしまっていました。タイトルすら覚えていなかった。
最近になり、なぜか「あの時見かけたあの作品がどうしても気になる、読みたい!」と発作のように思い立ち、検索に検索を重ねてやっと見つけました。
“モノトーン・ブルー”、とても綺麗なタイトルなのになぜ忘れてしまっていたのか…。
舞台は獣(獣人?)たちが通う学校。一見すると絵面が“BEASTARS”っぽく感じたのですが、それとは似て非なる世界観です。
毎日なあなあな学生生活を過ごしている猫のハチ。彼のクラスにやって来た転校生は、蜥蜴のアオイ。
最初こそ特に何とも思っていませんでしたが、ある時ハチはアオイの秘密を知ることになる。アオイが隠したがっているのは、目が覚めるような鮮やかな青色をした尻尾でした。
猫の擬人化はたびたび目にしますが、蜥蜴の擬人化は私にとって初めて。ですが意外と抵抗感なく拝読できました。
アオイがヘンだと言う自身の尻尾の色、しかしハチの目には何よりも魅力的に映る。
成長するにつれ消えていくのだという青。その儚い美しさに惹かれてアオイに興味を持ち始め、ハチの単調なモノトーンの日々が動き出す。
互いの尻尾を触り合うシーン、年相応の無邪気さの中に、ほんのりエロスを感じてしまった…。
ティーンエイジャー特有の甘酸っぱさとくすぐったさが堪らない、猫と蜥蜴のブロマンスです。
おそらく好みが分かれる作品かと思われますが、爬虫類が苦手でない方はぜひ試し読みだけでも。