「三森さんのやらしいおくち」のスピンオフ、三森にフラれた辻とその辻に片想いする朝野のお話。
本編の当て馬だった辻。そんな辻が幸せになるお話が描かれています。本編未読でも話は完結しますが、ストーリーの展開が早くあっさりとしているので、あくまでも本編ありき、本編の補完といった役割が強いと思います。また、本編とリンクした場面があるなど、本編を読んでからの方が楽しめる内容なので、未読の方はぜひ「三森さんの〜」から読んでほしいです。
そして、このお話で何よりも注目なのは辻のプニッとした体型です。作者様がこだわって描いただけあって、筋肉質でガタイのいい人のちょっと肉ついちゃった感がものすごくいい具合に表現されています。顔周りのふっくらさも、その下のプニっとした体も、ちょっとバタくさい顔も、カッコつけたがりのところも、全てが上手いと思いました。このThe当て馬感を惜しみなく併せ持つ辻が、幸せになれて良かったと思いました。
最後のボーナストラックに描かれた辻の過去。彼が何故三森に踏み込まなかったのかが良く分かるエピソードは、彼の印象を少し変えるものでした。掴みどころのない辻の人となりが良く表されている話だと感じました。このスピンオフの最初に描かれていても良かったと思います。