突然何かの拍子に、生まれた世界で最も重要視される魔力を失い、さらには自分の素性・性格の悪さに気がついてしまい、自分を見つめ直しこれからどうするか思案していく令嬢の物語です。
皇子は彼女の身分と魔力などの「生まれながらに持ち合わせた幸運」を理由にカタチだけ婚約をしていましたが、何もかも失って王太子妃の資格を持ち合わせなくなった彼女が、必死に世界と向き合おうとする姿に惹かれ寄り添い、王太子妃として迎えたいと願い応援し始めます。
今まで弱者を蔑み傲慢に振る舞っていた彼女が、自分の昔の行いに後悔し涙し、努力しながら弱者に寄り添う姿は登場人物達だけでなく、読者も例がなく惹かれていくよう丁寧に描かれている王道なお話です。
どうやら物語の最初に彼女が自分を省みた時点で、王道を歩むはずだったヒロインが「強制イベント」とやらが起きないじゃないか!とキレているシーンがあります。3巻末まで彼女はほぼ出てきていませんでしたがちらっと末に登場していたので、どうやら4巻から登場する模様で…。