ピアノの才能はピカイチでも生活環境が安定しないことで悩みや苦悩がある要と、天性の音楽感覚と恵まれた家庭環境で素直にのびのび育った明慶のピアノと愛のデュオ。要にとっては、ピアノを職業にしてやっていけるか人生最大の分岐点で出会った初めての恋なので、あまり明るい雰囲気はなかったけれど暗すぎることもなく、春の木漏れ日のように優しい空気感が伝わってくるようなお話でした。
私自身はピアノは弾けませんし、かなりの音痴です。でも子供の習い事関係で色々と聴くうちに色々と分かったこともあります。「音には色がある」んですよね。実際にプロの演奏を目を瞑って聴いていると、キラキラ光ってるイメージが湧いたことごあります。音で「色気」を表現したピアニストも見たことがあります。
だから音に心の機微が表れるし、会話もできてしまう…そんなことも可能だって信じられました。音でぶつかり合ったり混ざり合ったり、心が通い合ってからは愛を織りなすように影響し合う二人が素敵でした。