夜中の3時に橋から身を投げようとしていた久慈を助けた与一は住まいも金も家族も失ったと言う久慈を見捨てることができず、一人暮らしの家に連れ帰る。
過去の自分の行いを償おうとした矢先に唯一の肉親である母親を亡くした久慈は生きる意味も目的も見失っていて、そんな久慈に対して与一は説教くさいことは言わず、とりあえず今夜は死ぬのを止めて明日また考えてみたらといったスタンスなのが緩くて優しくていいなと思った。
与一から借りたお金で身なりを整え、仕事を決めた久慈が段々と生気を取り戻し、与一に懐いていく姿が猫っぽくて与一がよろめいてしまうのも仕方ない。
嫌な人も嫌な展開もなく、穏やかで優しい物語ではあるけれど、その分、盛り上がりに欠ける。