先生の作品は絵も作りも好きで何作か読んでいますが、途中から「何これ、最高」と思いましたし、レビューの前に確認しましたら、やっぱり!!最高評価の星の数でした。私が読んだ作品は、落ち着いたリーマン世代のものが多くて、会話のテンポにしても内容にしても独特の間が「いいなー」って感じなんですが、こんな若者向きのノリと会話がイケるとは驚きでした。読みながら何度も笑いましたし、所々魂が抜けたように無の表情になるのも楽しかったです。先輩が「恋の駆け引きを暗殺計画みたいに…」と言う場面は最高で、先生の作風に対するイメージがガラッと変わりました。室生と雪成の出会いと過去、それぞれの「引っかかり」から来るすれ違いも、先輩たちの役回りとかも全てが必要不可欠でチームのようで、良いものを見せてもらえて満足な一冊でした。『運命に見える』不確定要素があるように思えるものを二人で確実に「運命にした」んだなと嬉しくなりました。先生のファンの方にはもちろん、「まずは何か一冊」という方にもオススメです。