これだけ些細な話を本当に丁寧に描かれたと思う。
人を想う気持ち、すれ違うエゴ、寂しさ、時間、未練と情。人を好きになることはできるけど、自分と相手を両立し続けることは難しくて、それでも1人では生きられなくて。
こんな話なら1話で終わらせることもできる。作家さんによっては、数ページしか持たせられないとも思う。
しかしこの作家さんはこれを丁寧に描き切ったと思う。
だらだら間延びすることなく、女々しく強引にリピートすることもなく、その時時の微妙な2人の距離感を正確に捉え、一冊の物語として足りないことも多すぎることもなく見事に完成していました。
とても自然に、在るように恋人同士を描き切ったところに、共感し、物語に吸い込まれました。ありがとうございます。