4年付き合って同棲してきた桐生(とうい)と尽(つくし)が別れてからのリスタートストーリー。
日頃のちょっとしたすれ違い、相手へのもやもや…何年も一緒にいると、馴れ合いで日々積み重なる歪み。
離れてみて、気付くこと、残るもの。
きっと誰もが共感できる、人間味ある2人の感情。
桐生側、尽側それぞれの葛藤や気付きが、これまで2人が一緒に過ごした思い出を織り交ぜながらとてもリアルに描かれて、着地点へと向かっていきます。
サッカーの試合でのロスタイムと、2人のロスタイムが重なるところ、口にするのが苦手な桐生が素直な言葉を口にするところは胸熱でした。
性別関係なく、人と人とが理解し合う、一緒に生活することの難しさ。
言葉にすること、相手のことを慮ることの大切さ。
自分のことも思わず振り返ってしまう…
そんな沁みいる読後の余韻タイムになりました。