「hello」...私はこんな優しく心を裸に抉り出す素敵な物語に出会った事はない。嗚咽が止まらなくて咳き込むほどに。叶わないはずの想いが叶った時、私はどんな声を発するんだろうか。思いもよらない未来が目の前に拓けた時、怯えずに素直になれるのか?を突き付けられる一作品。スタートは違国物語、そして違国物語を信じて当たり外れはあれど過去作を掘り続けた後にこの作品に辿り着けて良かった。ヤマシタトモコに嵌った方の読了感なんて他作家さんと比べると比べものにならない位に人それぞれだろうけど、良くも悪くも一読すべき最高の一冊かと。吼えるように泣いても泣いても涙流し切ってもまだ眼に次を待つ涙がもう準備を整えて溜まってた。恋愛だって、結婚だって、人生だって、第三者がいてこそ動かないものが動き出す。それが繋がりだったり縁だったり家族なんだよなぁ...と、より孤独を感じたり、より人恋しくなる。治りきらないままに瘡蓋を剥がして絆創膏をエンドレスに傷口に貼り続けて生きている。作品と読み手がリンクして鼓動する。感謝しかない。ありがとうございます。