今回は予想以上に濃くて面白かったです。元極道の雄琥とレオナルドそれぞれの設定も凝っていて良かったし、過去の二人にどういう関係があったのかとか、伴侶になるまでのあれこれなど展開も楽しめました。関係ないかもしれませんけど、背中の刺青・雄琥・レオ(レオナルド)と、三つ全てが「虎」に関係していて、そんな所まで凝ってるなと思いました。
細かい事で言うと…吸血鬼って作家さんごと作品ごとに多少の違いがあるので、先生独自の設定が見られたのもポイントです。あとは吸血鬼だけでなく人狼の大上四郎を脇役で登場させたのも良かったと思います。彼の登場で、一気に人ならざるものの存在する世界観が、現実味を持って広がりを見せたように思いました。かなり掘り下げ甲斐があるキャラなので、大上を主役にしたスピンオフにも期待したいです。
先生の作品は、本編から書き下ろし、あとがきまで余すところなく面白くて、最後まで笑わせてもらいました。