ネタバレ・感想ありトーチ【コミックス版】のレビュー

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すごく考えさせられました
2025年8月31日
ほんとに1回読んだだけじゃ全ては分からなかったので、もう一度メモをしながら読みました。一言一句注意して読んでいくとやっと頭が少しずつ整理された気がします。けれど、言葉には言い表せません。まだまだその段階にはいけていないなと思って、とりあえずはこの作品を読んだ方の感想を一つ一つ見て多くの言葉に触れたいなと思いました。そんな素敵な作品に出逢えてとても良かったです。
一見何でもないドライブ風景
ネタバレ
2025年8月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ フォロー様のレビューでコミックス版が出たことを知りました。ありがとうございます😊
単話版で思い切り心を揺さぶられた本作ですが、こちらコミックス版の方もしっかり購入させていただきました。読み切り1本と描き下ろしも収録され、ボリューミーな内容になっています。
タクシードライバーとお客たちが織り成す、ちょっと不思議なストーリーのオムニバス作品4編。

どれも違った魅力を放つエピソード、その中でも私は特に3話目の“最後の旅”が印象深かった。
物語の舞台は昔懐かしい日本の田舎の景色の中。かつての地元に旅行に訪れたというシニアの男性カップルを乗せ、タクシーは走ります。
ドライバーと男性客たちの何気ない世間話、読み進めるうち次第に「あれ、もしかして…」という思いがよぎる。

優しい風景描写、幻想的な蓮池での思い出、仲違いの原因となった言葉。全てがリンクしていく。
お見事としか言えない巧みなストーリー展開です。読んでいるうちになぜか自然に涙が出てしまった…。

もちろん他3編も素晴らしく、「さすがニャオスキー先生!」と拍手したくなるエピソードばかり。一見何でもないような普通の情景が、やがて映画も顔負けのファンタジックでドラマチックなものに変わっていく。
そして後書きも素敵だった。作品タイトル・“トーチ”に込められた意味が胸を打ちました。

ぜひ多くの方に読んでいただきたい作品。心からおすすめです。
次の乗車は
ネタバレ
2025年8月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ ニャオスキー先生!ありがとうございます。そしてコミックス発売おめでとうございます!
お会いできるのを心待ちにしてました。もう、逸る気持ちを抑えるのが大変。早く読みたいのに読み終えるのが惜しかった。裏表紙まで見逃すまいと頁は丁寧にめくり、そして全152頁を読了。
一言でいうなら、感情と言葉を一致させるのが難しい一冊。伝えたい気持ちはどんどん膨らんで言葉がつまって渋滞してる。
ただ旅好きな自分には至高の一冊になった。作中で過去と未来に行けたのも楽しかった。
収録は4話と短編1話に書下ろし1話。今回も赤裸々な肉体表現は極小だった。

1話はマジ泣きした。いい作品(無料期間に当たったら是非おススメ)
2話は洋画テイスト。知恵の輪作品(色々ひねっていたら輪が外れた感覚)
3話は初老の男性2人が田舎へ最後の旅にやってくる作品
4話は桜が満開の夜にイケメン2人と電波にのって歌う友人の作品
どれも短くてすぐ読める。ただし、1話が2時間くらいの映画は観た気分。密度のある情報が詰め込まれているので何度も読み返している。幸せな時間だ。願わくば、是非「あとがき」までたどり着いてほしい。「torch」の始まりと由来が言葉のプレゼントとして待っている。

追伸:今から映画鑑賞の予定。リストは「恋はデジャ・〇」「ナイト・オン・△・プラネット」この出会いに心から感謝を!
良い…
ネタバレ
2025年8月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作家様買いです。
タクシーを舞台にしたオムニバス。BLですが、その辺はソフトです。SFぽい感じもファンタジー要素もあり、映画を観たような読後感。
読み進めると、あぁあれはこのことに繋がってるだなぁと思うことが何度もあり、楽しませていただきました。
本当を言うと、好きな感じの絵柄とは少し違うのですが、そんな私でもとても楽しめました(そして、話にあった絵柄だと思います。)もし絵柄で読むのを躊躇う方がいれば是非読んで欲しいなぁ…と思います。
派手さはないけど、地味ではない。味わい深い作品です
完成度の高い連作短編集
ネタバレ
2025年8月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ レビューを拝見して1話目を読み、ミニシアター作品のようなカッコ良さに短話買いしたのはつい先月のこと。
早くも単行本でまとめて読めて嬉しい、ニャオスキー先生の連作短編。描き下ろしまで含めて完成度が非常に高い。
朝食アンソロジー掲載の『COFFEE AND DONUTS』も収録。未読だったのでこれも嬉しい。

タクシーにまつわる短編4話。
それぞれにお題があって、誕生・怪物・結婚・失恋。
踏まえて読み返すと味わい深い。

移ろいゆく天気と時間の描写が秀逸な1話目。
まるでそこにいるかのように物語を肌で感じ、タクシー内での会話劇と人生を絡め、強く印象づけられる。
2話目は徐々にドタバタとする展開と着地に痺れた。
繰り返しによる狂気はビ◯・マーレイの映画『恋はデ◯ャ・ブ』を彷彿させて面白い。

感動と、後悔と、感情を揺さぶられてからの描き下ろしの衝撃。驚きつつも、そうきたかとニヤリとしてしまう。
失うときは失うし、けれどもやり直すのに遅いことはなく、また1日と生きるのみ。でも、明日はあるのか?
抱える灯火、受け取ったからには手渡したい。他の方のレビューも楽しみ。おすすめです。ぜひ。
タクシーにまつわるオムニバス映画のような
ネタバレ
2025年9月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 短編集でした。現在、過去、未来、様々な場所でタクシーを媒介に起こる不思議な話。良い話ではあったのですが、申し訳ないけど人物の描き分けが発展途上なようで区別がつかなかったのが残念。全員似たような髪型で同じような顔なので、同一人物なのかと読み返して、別人と確認する作業が。また、後書きでジャームッシュ監督オマージュとおっしゃってて、なるほどなぁ、となりました。私はさほど映画好きというわけではないのですが、深夜の映画は良くつけっぱなしにしていて、たまたまジャームッシュ監督作品も鑑賞済みだったので。ジャームッシュ監督作品は、眠れぬ夜にテレビをつけっぱなしにしておくのにちょうど良い作品。程よく退屈で、意味不明なところもありつつ、続きはさほど気にならない。穏やかで、ちょっと面白くて、後味がまあ悪くない。そういう作風。この本も、眠れぬ夜に読んだらほんのり優しい穏やかな気持ちで寝落ちできる。そういう寝物語にぴったりな本でした。ただ、ページ数の少なさが気になるのと描き分けの点、1話をもうちょい深掘りしてスッキリ気にならずに眠れるようにしてほしいところもあり、星4。あと、前作、前々作があまりにも秀逸すぎて比べてしまったところもあります。物足りないのがジャームッシュ風なので、ある意味正解ではあるけれど、エンタメとしてはやっぱり物足りない(笑)。小さなお子さんにも安心のR指定無しでした。
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