もともと「BLってなにがいいの?」という少女漫画作家さんが「描かねば」と思って描かれた作品。後書きにあるように、勉強のためにその時代よものや男色の小説とかよまれたようで、中に三島由紀夫の「禁色」を読んでみたり……とのことなので、読んでいて古典の男色の小説やオスカー・ワイルドあたりを思い出す感じの作品。BLカテゴリーですが、カテゴリー名にちょっと馴染まない感じがします。萩尾作品でいう「残酷な神が支配する」みたいに、たまたま設定が男同士の恋愛が絡む(ガジェットのひとつ)にすぎず、キャラクター造形からストーリーがすすんでいき、作家さんが描いている間に作家自身モッテかれる系の人間ドラマ漫画だと思います。