先生の描かれる男性の顔立ちがいつもすごく好みなんですが、中でもシスがど真ん中です! ズバッとストレートな性格もカッコよくて、とにかくいい男。カイの真っ直ぐさと、どこか迷いのあるような不安定さも良いです。シスを見つめる瞳が澄んでいて綺麗で……ラフな感じの線画なのに、どうしてこんなに透明感を感じるんでしょうか。
そして何よりも、言葉にならない心情の表現が素晴らしいです。特に、過去の真相を知って混乱状態のシスが、カイと過ごした時間を思い浮かべていくあたりが……カイの想いも、シスの想いも手に取るように伝わってきました。
ただ、そこがすごく良かったと同時に駆け足に感じてしまったのが、惜しい。真相の解説の部分に重心が行きすぎてしまったように思います。文章多すぎ、情報量多すぎで読みづらいのはもとより、色々な意味で重すぎました。
自分の好みとしては、真相が明かされたあとの関係の再構築を、もっと見たかった。あとがきで解説されてしまったところとか、本編にENDマークがついたあとの描き下ろしで回収されたところとかも、ちゃんと本編でじっくり描いて欲しかったです。
繰り返し読むことで、自分にとって重要じゃない部分はさらっと読み流せるようになるので、より楽しめるようにはなってきます。ジンとマリも、最初は謎の存在だったけど、今ではすごく好きです。スピンオフも読みました。