ネタバレ・感想ありアノネ、のレビュー

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読み終わりの余韻が深い
2024年9月27日
今日マチ子さんが描いた戦争をテーマにかかれた作品をたまたま目にした事から、この作品も見てみようと思った。セリフは少なめだけれど、どの作品もその時その場のリアルな惨状や感情が静かに訴えかけてくるので、読み終わった時の余韻が半端ない。戦争とはを改めて考えさせられ、人とはというのも同時に考えさせられる。この静に訴えるような作品を見て欲しいと思う。
良かった
2024年6月22日
アンネの日記。懐かしくて、大人になってからだとまた辛さが違いますね。悲しい歴史。繰り返さないようにと思っているのに。
戦争とは単に戦場での戦いだけではない
ネタバレ
2022年3月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読みホにて。アンネ・フランクの話がもとになっているフィクションです。余白の多い、たんたんとした絵が、人の残酷さと悲しみをよりリアルに感じさせます。読み終わると、とても悲しくなります。テレビのドキュメンタリー番組でも、本でも収容所の話は見たり読んだりしましたが、このようなマンガという手に取りやすく、絵からいろいろと考えることが出きる媒体で描いてくれたことに感謝です。作者さんも描くことで、とても重たいものを心に残していると思います。読者も心に重たいものが残ります。でも、このような実際にあったことを忘れてはいけない。この作者さんは戦争ものをいくつか出しているので、読んでみようと思います。フォロー様がレビューしていて、読むきっかけとなりました。ありがとうございます。
どうして
2022年3月10日
「cocoon」「アノネ、」「ぱらいそ」の戦時下の少年少女を描いた3部作の2作目。全て読みホで読めます。
原本の「アンネの日記」には、壁の裏で隠れて声を顰め生活する恐怖に満ちた現実と共に、紙の上では空想の友達に向けて夢が自由に羽ばたくものも書かれているので、この漫画作品も現実と夢が混じり合っています。私が読みこなせてない分、フォローしてる方が夢を解釈するレビューをあげてくださっていてとても参考になりました。
フィクションストーリーとあらすじにはありますが、アウシュビッツ、ビルケナウ収容所までの道のりや入所時の恐怖、収容所での生活の描写は、私が平和学の講義の一環で現地を見学して学んだものそのままです。山のような靴やカバンや髪の毛、焼却施設、死のシャワー室、人間が人間に対してここまで残酷なことができるのかと、衝撃を受けました。
これほどまでの相手への想像力と共感力の欠如、過去から繰り返し、いま世界で起こってることも、そうです。どうして他人の痛みを感じることができないんだろう、そのような人が国のリーダーでいられてしまうんだろうと、もうこれを書いてるだけでやるせなさに泣けてきます。
私たちの中のアンネ
ネタバレ
2021年10月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読み放題。マチ子先生、戦争三部作の2作目。
「アンネの日記」から着想を得たフィクション。

一読では拾いきれず、あとがきを踏まえ何度も読みました。
今まで戦争というと、現実に起きた悲惨さ残忍さからその重みを知らされる事が多かったと思います。しかし本作を通して、初めて感性という面から戦争を感じ、今までにない涙を流しました。

史実を辿る一方で、現れる箱の世界。
時空も何もかもから切り離された空間に居る太郎と花子。
花子がいつまでも握りしめていた1つの飴玉。
飴玉を口に含んだ甘さを知っているから、
きっと花子が幸せのままで居られるのではないかと、
夢のように希望さえ抱いてしまう。

物語の主人公で居られなくなった世界を、
花子と同時に突きつけられる。
現実世界に引き戻され味わう絶望。
飴玉は、宝石から永遠を引いたもの。
消えてしまうもの。
それが夢であると誰もが分かっている。
けれど花子が太郎に差し出した飴玉が
彼の心を溶かしてほしいと願ってしまう。
太郎と花子の恋がこの世のどこにも存在し得ないと分かっていても、それが現実であって欲しかったと願い涙する。

何も説明的でない。
寧ろ説明は一切なく、読者の想像に委ねられるストーリー。
だからこそ心を強く揺さぶる。
このような表現で戦争を表した先生に、何と言葉を返せば良いかすら分かりません。

何度も読むべき、読まれるべき作品です。
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作家名: 今日マチ子
出版社: 秋田書店