ネタバレ・感想ありあれよ星屑のレビュー

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名作
2024年5月12日
戦中戦後の赤裸々な様子がよく分かる名作。戦争も軍人も一般人も決して美化せずに、嫌なところ、弱いところ、どうしようもないところも出しています。お涙頂戴ではなく、じわじわと胸に突き刺さってくる作品です。これは一度は読んでみて欲しい。笑いをとる部分もあり、必ずしも苦しいばかりではありません。このような時代があって今の時代があります。今世界のあちこちで絶えることなく起きている戦争。このような戦中戦後の世界は、ニュースになることもなくあちこちで起きているのだと思います。戦争が人々に何をもたらすのか、よく描かれている作品でした。フォローしている方がレビューされていなければ決して手に取ろうと思わなかった漫画です。感謝。
傑作
ネタバレ
2024年5月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品に出会えて僥倖。
フィクションであることを踏まえても現実。
これを読んで何を受け止めて何を考えるのか、答えは千差万別だろうけれど出会えた人と出会えなかった人とでは雲泥の差ではないでしょうか。
それほどにすごい作品。
シリアスに残酷に描こうと思えばどれだけでも描ける内容ですが、切なくなるほどコミカルでユーモアあふれた作品。
真剣にむき出しに生きる人々がこの本の中にはいます。
余計に残酷さが際立ってしまう。
前半、中盤、後半…。
初めから面白くてどんどん読み進めてしまいます。
もちろん残酷すぎるシーンもあり、R指定をしないのか?と思ってしまったり。
しかし、泥水から沸き上がったセリフはどれも鋭く重い。
引き込まれたままラスト。
落としどころが秀逸すぎてしばらく泣きながら呆けてしまった。

今話題の映画『オッ〇ンハイマー』を鑑賞した人もしていない人も。
成人した人には必ず読んでほしい作品です。
濃厚
2023年4月13日
漫画って過去だったり未来だったり異世界だったり、どんな世界でも描いてくれるけど、今の価値観で今でない世界が作られていると、なんか興醒めする。
なのだけど、これは戦後直後の日本を、その当時の空気感を、しっかりそのまま伝えてくれている気がする。
無骨で粗野で危なっかしく、モノも家族も世の中も頼りない中で生活するホコリっぽい感じ。
そこまでの過去でもないのに、あまりにも今と違う日本の姿に、日常が相対化される。

教条的でなく、シンプルに過去を覗かせてくれる、稀有な作品。
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読みごたえずっしり
2023年3月5日
60年代や70年代の邦画を観たようなセリフやカット。とにかく絵が上手い!夢中になってあっという間に全巻読みました。人間臭く、カラッとした世界観がお好きな方におすすめです。
終戦直後の日本
2023年1月25日
終戦直後の日本を題材にした作品ですが、描写がとにかくリアルです。出てくる登場人物も非常に人間臭くそれでいて奥深い人間ドラマが繰り広げられていて驚きとともに非常に心地よい読後感でした。名作ですよ。
生きて
2022年5月28日
終戦から一年後の東京。
戦争のトラウマを抱えながら生きる、男たちの物語――。

絵がものすごくうまいです。
「ここしかない」という場所に、美しく線が引かれてる。
アクションシーンもシンプルな線で、鮮やかな動きと躍動感…あまりに上手くて見惚れてしまう。

そして5巻。証城寺のシーン…。
言葉にできない。
生きることの喜び、悲哀、幸せ……もっと深い、何か。

生きている。生きていればこそ。
そのとき、彼らは間違いなく生きていた。って思ったら 胸がいっぱいになって涙が出た。

質も量も重量級でかなり重いけど、すごかったです、この作品。
読了して何ヶ月もたっているけど、川島の生き様が忘れられない。
強烈に深く強く心に残る作品。
帰ってこられない
2022年2月16日
読後、フィクションとして自分の中で終えることができず
気がつくと、色々なシーンが勝手に脳内で溢れています。
完全にページを閉じていない様な状態で
読み終えたのに、読み終えた気がしません。

戦中と高度経済成長の間の生き様を描いた作品です。
参助先生も仰っていましたが、よくぞこの時代を漫画にして下さったと思います。
急激な変化の中で、人々はどんな気持ちで戦争に区切りを付け、どうやって変わっていったのか。
そんなに簡単に切り替えなんて出来ないはず。

参助先生がこの漫画を描かれた事が、必然としか思えません。
この時代に明るく、この時代の人々を描き出せる画力。
押し付けが無く、ただリアリティとユーモアを持って淡々と描ける人柄。
そして根本として大事な、漫画としてめちゃくちゃ面白いという事。

参助先生のインタビューより
『「人の心は変わる」ということです。自分だって、10代のころと、40代の現在では、考えていることが違う。その状況によって言うことが変わってくるのは、現代の私たちだけでなく、昔の人も同様だということを、共通認識として持っておいたほうがいいんじゃないでしょうか。兵隊に行ったおじいちゃんたちの話を聞くにしても、戦後70年、その間に否定されたり肯定されたり、そういったことを何度も繰り返してきた肉体と心なんです。彼らの50年代はどうだったのか、60年代はどうだったのか。その時その時で、戦争を振り返ったときの思いが違うという点に、もう少し想像を膨らませたい。』

参助先生の個展も開催されます。
行ってきます。
リアル
2022年1月5日
自分は戦争に関する本や資料を同年代の中では多く見てきた方だと思いますが、この作品は見やすい絵で、内容がすごくリアルです。沢山の人に読んでもらいたい。日本人として、この時代があっての今があるのだということを噛み締めます。
読後感が言い表せない
2021年6月14日
読むためにものすごいエネルギーを使うし、途中で調べ物をしたり自分の中で咀嚼するのに時間がかかり、すっかり疲れます。でも読んで、読めてよかった。
本当にこんな生活があったのかと思うと言葉が出ません。それも1世紀も経ってないだなんて。賢くなったつもりでも元来の業や欲なんて大差ない、だから我々はおでまだ賢くなり足りないでしょうね。
戦後
2019年11月12日
戦争をリアルに書ける作家さんがどんどん少なくなっています。いろんな意味で。
最近の食ブームのタネに戦時中の食事の話題まで出ているものを読んで暗澹たる気分だったがこれを見てまだ日本人も大丈夫だと思いました。
終戦直後
2018年4月10日
の空気感。もちろん知っているわけではないが、リアルに感じられる。
すごい!
2017年1月17日
生々しい話です。今までに読んだマンガや小説の中で一番戦場とか戦後の話が生々しい気がします。
装飾してない感じがするからでしょうか。作者さんはこの話をどうやって作ったのか気になります。
傑作!
2015年9月2日
終戦直後の混乱を生き抜く人達の話。メインは軍隊時代の上官と部下の2人の男。焼け野原の東京で偶然再会し、いつしか相棒のような存在になっていく。この作品、とにかくリアル。あの時代あの場所を、まるで見てきたかのように描写していく。
ゲイ雑誌出身の作者さんらしいけど、BL的雰囲気や男同志の艶めいた物は今の所全く感じさせません。出てくる人物達はみんな、男所帯の気安さかかなりあけすけ。下ネタばっか。女たちもかなりのもの。生きるってことは食べて排出する、あとはとにかく性行為するってことなんだろうな。進駐軍の残飯漁ったり、慰安婦のヒモやったり、中国・朝鮮人とやりあったり、ヤクザの世話になったり…とにかく最近はなかなか描けないのでは?と心配してしまうような話が目白押し。敗戦とはこういうことか、と考えさせられる。明るいタッチなのに、人びとはみんな傷を抱えていてどこかに影が、重苦しさがある。主題というかストーリーはこれ!というものはなくて、戦後と戦中のエピソードを重ねていくことで2人の心の傷が浮き彫りになっていく。当時の濃密な空気感がひしひし伝わってきて、早く続きが読みたい作品です。
終戦後
ネタバレ
2023年2月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 復員兵の姿を通して終戦後の日本の姿を描く。
川島の死に方が予想外だったなぁ。石飲み込んで死ぬ?
門松が側にいながら…
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