サスペンス色強く重い平安歴史物でしたが目が離せず20巻まで読んでいました。絵柄が美しく幻想的で、粗さには躍動感があり魅了されます。平安時代の貴族社会に踏み込みドロドロした嫌な場面が多くて読み進むのがキツイのですが、史実にある登場人物たちと背景を交えて作り込まれている内容が厚く安定し、読み応えがあります。権力と身分、閉鎖的で人々の悪意や風評が渦巻く中、多くの登場人物達がそれぞれ逞しく生きている様子が細やかに丁寧に描かれています。
なんといっても主人公の菅原道真と在原業平がいい。2人のコンビとしてまたは、それぞれを意識して活躍しています。難題を切り開いたり解決していく姿に爽快感もあり、この先も楽しみです。