3編あります。
1作目と2作目(表題作)が同じ世界線の話、3作目は全く別のお話でした。
私は2作目が好きです。
1作目『夜更けに花降る』で山田書記官を見守る職場の先輩として出てきた里村さんが2作目『明け方に止む雨』にメインで出てきます。
こういう繋がりって好きです。
1作目では落ち着いた大人の雰囲気に見えた里村さんが、2作目では意外と熱くなったりムキになったりしている様子が伺えました。
後半に、弟さんが残したメモについて刑事の結城さんが話している言葉とモノローグが正反対でドキドキしました。
そこに優しさと独占欲のような強い意志を見た気がします。
タイトルの【止む雨】というのがこれからの2人を思わせるような前向きで素敵な表現だと感じました。【明け方】というのも艶っぽくて好きです。
それぞれ話は長くはないですが、その中に人物の性格や行動の裏付けが無理なくストーリーに組み込まれていて違和感のない内容でした。
とても面白かったです。
全181ページ。
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