デュオ・ラブ
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デュオ・ラブ

町屋はとこ

はとこ先生渾身のピアノデュオ長編作品

2021年11月3日
はーこの数日読んだ新刊群は超特大オススメものばかりで血湧き胸踊るわ。新刊作者さん買いで電子限定だそう。ピアノ弾く方、ピアノ曲を聴くのがお好きな方には特にほんとうにオススメ。最近ショパコンもありましたしね。ピアノでデュオを組んだ音大生ふたり、才能に惹かれあい共に成長していくはとこ先生渾身の作品です。雑誌連載は14、15年で上巻収録280ページ。下巻は2年をかけての271ページ全て描き下ろし。
私、youtubeでよく見られるストリートピアノの一台で演奏する即興連弾ほんとだいっ好きなんです(特に男性ふたりの)。見てて聴いてて全く飽きない。即興なので息を合わせないと演奏できないし、よく知られてる曲だったりあまり知らない曲だったりを目と目、手と手、指と指、音と音と息づかいで会話して、転調したり、一つの椅子に座ってるのでタイミング合わせてひとりが立ち上がって上下(右左)を交換したり、違うフレーズに持っていったり、手を交差したりと。ただでさえピアノ男子は3割増しのところ、連弾するともうそれはそれは美しくて。BLの題材にいいんじゃないかなぁとこっそり思ってました。だからですね、開始12ページまで読んで確信しました。この作品、マジで萌えの要素しかない!誰得って、超私得!先生、描いてくださってありがとうございます!!頭の中で完璧に映像化されてましたよ。(誰が脳内キャスティングされてるかは言えません。。)
上巻で、楽譜を忠実に弾くクラシック畑のひとには即興はなかなか難しいはずなのに、コード分かってれば弾けるとクラシックのバリエーションになり、息が合う演奏になってくシーンの描写が素晴らしい。元々画力のある作者さんなのは知ってましたが、音を絵で表現してさらに情熱や躊躇いなど心情まで絵のピアノ演奏に載せていて見惚れます。上下巻でかなりのページ数ですが濃い内容に気持ち持っていかれてあっという間に読み終わってしまった〜。Twitterによると本当はアメリカ編の構想もあったそうで、絆も深まり共に成長していくふたりの姿を5巻くらいもっと見ていたかった〜!素敵な物語(そして私にとっては妄想を更にかき立てる物語)を描いてくださって本当にありがとうございました。電子のみ出版で、書店キャンペーンもなくひとめに触れにくいこともありそうなので、せっかくこんな素敵な物語が描かれたのですから、もっと世の中に広めて、たくさんの人に読んでもらいたいです!
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