夜明けの唄【単行本版】
」のレビュー

夜明けの唄【単行本版】

ユノイチカ

期待し過ぎたかな

ネタバレ
2021年11月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作者さんの同人誌も読んだ事があります。同人の世界ではトップクラスの実力の方だと思います。
なので商業の方も期待して読んでみたのですが、うーん。期待し過ぎた感があります。
まず、BLとしての萌えの要素が薄いです。
BL作品を読んで読者が萌えることよりも、作者の「誰も描いたことがないBLを描いてやる」という世界観の押し付けが一番前に出てしまっているように感じました。
よく考えたと思う設定は色々盛り込まれているのですが、わかりづらくて混乱しやすいです。蛇足に感じるシーンもあります。プロットや構図、テンポも同人作品よりも本作の方が悪いように感じました。
なにより2話から年月が過ぎて攻めが成長しているのですが、その過程で攻めが受けに対して気持ちを育んでいく描写をもっと丁寧に描いてほしかった。遠方に出た攻めが受けのために奔走するのですがそこに至るまでも突拍子もなく感じられます。
世界観の細かい設定はいいからもうちょっと二人の絡みを描いてくれよ、と思ってしまったのが残念。新しいキャラが出るたびに「もういいから」という気持ちになってしまいました。
とりあえず2巻まで読んだけど、3巻以降は多分読まないかな。好みに合わなかったのが大きいんだろうけど、特に引き込まれもしないし印象にも残らず、読み物として単純に面白いとは思えませんでした。
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