あかりと彼はなやましい
」のレビュー

あかりと彼はなやましい

鶴亀まよ

1巻も好きだが2巻がさらに良い

ネタバレ
2021年12月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ なにかクリスマスっぽいお話なかったかな〜と本棚をゴソゴソ。

2巻であかりが瑞貴さんからクリスマスプレゼントにマフラー貰って、お返しを何にしようか悩むエピソードが印象的で。わかる、あのチェックのマフラー超お高いですもんね…高校生の金銭感覚ではお返しをどうしたらいいか困るはず。10歳差CPのリアル感があってけっこう好きなエピソードです。

1巻の、年齢よりも大人びたあかりの寂しそうな横顔が切ない。キスしてってねだったのに本当にキスされたら怖気付いて距離とってしまうとことか、ギュンとします。ノンケだからってのもあるけど、自分を突き放さない瑞貴さんのそれは、性愛ではなくて慈愛なんだよね。だから1巻ラストでは、あかり〜素敵な恋人が出来て良かったね〜って思いながらも、瑞貴さんはぶっちゃけ絆されただけなんだよなぁ…とちょっとだけモヤっとする…。

そのモヤモヤが、2巻で「愛情が恋になった」というマスターの言葉で見事に回収されるこの気持ちよさ!1巻は1巻であかり救済の素敵な物語なんだけど、作者さんしっかりと1巻の足りなかった部分を2巻で描いてくれた。可哀想な子猫拾ったような、圧倒的に優位だった瑞貴さんが、あかりの成長に怖気付き、自分はつまらない人間なんだと内省する。単に当て馬出してヤキモチ焼かすとか単純な描き方じゃなくて、瑞貴さんの葛藤を掘り下げているのが良い。(あ、実際に当て馬に嫉妬丸出しでカッコよく現れる瑞貴さんのシーンも超好きですがw)
元々スピンオフだったのに、2巻ではあかりの成長を描きつつ中学時代の出来事も回収したりしていて、作者さん最初からどこまで考えてたのかなぁと感心しました。

2巻のエチシーンがとても良くて、これまでがっついた様子を全然見せてくれなかった瑞貴さんの、秘めた本気度合いを、手の血管でみせるというこの色気!良い!(ゆうても27歳なのだから、もっとガツガツしてもええんやで…)
いいねしたユーザ23人
レビューをシェアしよう!