クローンの相方と恋愛ってどんなネタ?
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クローンの相方と恋愛ってどんなネタ?

鮭だらけ

人をその人足らしめるものとは何か。

ネタバレ
2022年1月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ う~ん。作品を良作足らしめるのは良き受け手が不可欠と思います。自分は想像力がどうも足りず、すみません、この作品の良き受け手とはなれませんでした…。どうもモヤモヤが残ってしまう。

その人をその人と判断させるものは何だろう。単純にDNAだけで性格は決まらないというのは定説だ。環境も重要な要素となると言われている。ならば、その人の記憶なるものをそのまま同じDNAの人間に植え付けたら本当にその人になるのだろうか?

クローン技術は発達していて、本当にクローン人間は作れるのだろう。ここで個人的想像力の限界で、ハード面は作れてもソフト面(性格など)は難しいように思ってしまう。そういうわけで、どうもクローン人間を同一の人間格とすることに抵抗を感じてしまうのだ。
SF系のオチとして、クローン人間は別人格の人間というものも多い気がする。(というより、クローン人間を最終結論として同一格の人間とするものを見たことがない自分の見識の狭さに責があるのも事実でございます。)

そういうわけで、クローン人間とそのままスライドするように恋愛を始めることに違和感を感じてしまう。その違和感を覆すほどの要件を今作から自分は受け取れなかった。
愛する人の突然の死は受け入れがたい。それは分かる。ゆえに例えば"お別れ"をするためだったなら、良かったのだ。期間限定的にクローン人間を代替するSF作品は読んだことがある。(それは感動したし面白かった。)

あと、恋人のクローンはまあいいのかもしれない。結局他人だし。
これもまた自分の想像力の限界故だが、血を分けた息子のクローンを冷静に受け入れたお母さんに違和感を覚えてしまった。男と恋人関係云々よりそっちのほうがよっぽどどうにも。それならば、お話自体からお母さんとの絡みが無かったほうが違和感を覚えなくて良かったと思ってしまった。

それから、やはり"死"は乗り越えなくちゃいけない気がするのだ。辛くとも。どうにもスルーしてはいけない命題に思う。不具合に思えても無くしてはいけないプログラムはあると焦燥してしまった。

すみません。いくつかの消化できない違和感を感じでしまって、モヤモヤだけが残ってしまいました。良いお話なのだとは思う。それでも本当に良い話なの?と思ってしまう。クローン人間とスライド的に恋愛して本当にそれでハッピーエンドなの?人は何を以て人を"特別"に想うことになるんだっけか。
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