雷神とリーマン
」のレビュー

雷神とリーマン

RENA

笑って泣いて、人間になりたかった神様の話

ネタバレ
2022年2月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絶対好きだとわかってるからもったいなくて読めてなかった作品のうちのひとつ。フォローしてる方々涙の絶賛、島でもオススメされてハズレようもないです。なんとなくそろそろかな〜と思って一気読みしてレビュー星10連打で速攻神作品本棚行き。絵柄は私の少し苦手なタイプの少年マンガっぽい筋骨隆々の男性メイン、でも読んでるうちに全く気にならなくなりました(ガチムチ好みの方にはどストライク間違いなしの超大型×大型)。ジャンルは女性マンガで外見男同士の恋愛、幸せなシーンはあれど絡みはほぼ全くないので背後気にしなくて良いです。だから普段BL読まない人にこそぜひ読んでもらいたいな。ある望みを持つ葛藤がBLでないと成立しない展開なので。世界に没頭してほしいから、できればひとりで読んで泣く準備もしておいて。私は子どもの送迎帰りに、5巻のあるシーンのセリフがラストでその通り約束を守ったことに思いいたってひとりで涙流しながら運転してました。

作者さんはTwitterのトップ連作画像にあるラストシーンを最初に決めて、それに向かって丁寧に5巻をかけて物語を紡いでいるはず。所々にふたりのこの先を予感させるモノローグがあって、再読するとまた胸にくるものがあります。これから読む方は、もしできればTwitterやpixivのラスト試し読みを見ないで作品を読んでほしいな。出会いから最後まで全部通して読んだ時に、ふたりで共に食卓を囲んで笑い合う普通の日々、辿ってきた人生の道のりの約束の果てに、あのラストがあることがわかるから。

仕事ハードで失恋もして人生に疲れてるゲイリーマンの大村のところにある日雷神が下りてきた。筋骨隆々の雷遊と名乗る奴は偉そうな態度で(神様だから当然)、自分を人間にしろという。流されるように同居生活を始めてしまった大村は、雷遊に人間になれるよう色んな経験をさせて、小さくなれる雷遊に高校へ通わせたりもする。学校生活では友達たちと楽しいわちゃわちゃも読めたり、友情にホロリとさせる所もあり、毎日の生活で神様ならではの笑えるシーンもたくさんあって、笑って泣いて人間とは何かをずっと描いて読み応えたっぷりの果ての5巻。。人間の命には限りあるから一生懸命生きる、そして人間と神とは生きる時間が違う、わかってはいたことなんだけど。

pixivで読める「星が廻った後に」はラストシーンのその後、あるかもしれないお話。本編読了後に読んでね。
いいねしたユーザ21人
レビューをシェアしよう!