昨日、君が死んだ。
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昨日、君が死んだ。

ARUKU

前へ進め。命の意味を問いながら

ネタバレ
2022年8月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初めてARUKU先生の作品を読んだのは、この作品の1巻でした。その時の、頭を殴られたような衝撃は今でもはっきり覚えている。

自分が過去読んできた、どんなマンガとも違う異質感。今まで自分が全く経験したことのない感覚だった。
今でもまだその異質感について うまく当てはまる言葉が見つからない。

画面の隅々まで美しい。
世界は終わりに近づいているけど、絶望感はなくて明るく軽やか。
さりげなくそっと置かれた言葉が、割れたガラスみたいに心に刺さる。

――魂とは何なのか。
なぜ生きるのか、生きる意味がこの世にあるのか――。

この作品はBLというより、この世に生きる命、全てへの愛の歌かな と思った。
2巻を読み終わったあと、いろんな思いが溢れて言葉が出なかった。

【以下ネタバレ注意】
タイトルですが、文字数で削ったけど、本当はこう続けたかった。

”前へ進め。命の意味を問いながら。この世が終わる瞬間まで”

主人公のはづ君、実は魔法使いでしたが、彼は不老不死に近い存在ではないかなと思いました。
たとえ不老不死でも、世界に終りが来る。
でもこの世が終わる瞬間まで……前を向き夢を追い求める魂の物語なのかな…と。
主人公のはづ君の、もがき苦しみながら求道する姿が、作者様に重なって仕方なかったです。

純度の高い、魂の結晶のような作品。
この作品、2巻で完結かと思ったら、3巻もあるのですね。
よかった。本当によかった。
心して3巻を待ちたいと思います。
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