パブリックスクール
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パブリックスクール

樋口美沙緒

4・6巻のスタン×ケイト編がとても好き

ネタバレ
2022年11月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ ずっと読んでみたかった樋口美沙緒作品、どんなものかとりあえず1巻だけ、と読み始めたら、面白くて止めることが出来ず、一気に6巻まで読んでしまいました。この数日間、心は遠くイギリスです。

エド×レイ、スタン×ケイトの2cp出てくるのですが、特にスタン×ケイト編が好みで、まだシリーズ読み途中なのに4巻ばかり何回も再読し、さらに5巻飛ばして6巻を読んでしまうほどでした。主要キャラはかなりのトラウマ盛り盛り設定で読んでいて息苦しいのですが、そんな2人がパブリックスクールの中で出会うべくして出会う、そのドラマティックさにどっぷりと浸りました。特に、ケイトという、思慮深くて強さと弱さを内包したキャラクターがとても素敵でした。

エド×レイ編は、貴族との身分差・人種差別・同性愛、と何重もの障壁を前に、2人の気持ちは近づいては離れ、信じては疑いを繰り返し、これまた嵐のようなドラマティックさ。愛について何度も何度も表現されるので、読んでいて愛がゲシュタルト崩壊しました。1巻の少年レイが、もう訳わからんくらい不憫で、読んでて辛くて辛くて、オーランドが出てきた時はあまりの神々しさに、これオーランドと結ばれればいいのに…と本気で夢見ました。レビューで色々不評なレイ君なのですが、学生時代の黒目黒髪ちびこいレイが、周りのイギリス人達に「コマドリちゃん、菫ちゃん」ってよしよしされてる展開は大層可愛いかったので、その頃の可愛い貯金を使って社会人レイのターンも読み進めましたw ただ5巻のレイの脇の甘さは、レイ自身がピンチに陥るだけじゃなくて第三者も巻き込んでいるので、きみリカバリ遅いよ…ってさすがにちょっと厳しい目で見てしまいましたね。こちらはデミアンの愛おしさを支えに読み切りましたよ。

レイの迂闊っぷりはやや気にはなりましたが、それにしてもどの巻もストーリーに吸引力がありページを捲る手が止まらなかったので、大満足の☆5です。
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