さよならのモーメント
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さよならのモーメント

仁嶋中道

読後、表紙を眺め、もうひと泣き。

2023年6月18日
先生の作品はドラマティック性はあまりないけれど、とても優しく寄り添うような切なさがあってとても好き。

題名の意味。
『瞬間』と捉えれば主人公3人それぞれの別れや旅立ちとも読み取れますがそうじゃないのかな。
亮輔とハル。亮輔と司。司と家庭。
[さよなら]までの心の過程を丁寧に優しく美しい絵とともに読ませて頂きました。
私たちも色々な[さよなら]との距離をぐるぐると回りながら知らず知らず手を離したりタイミングを伺っているのだよな。
などと切ないストーリーを読み終えて考えたりもしました。

友情と愛情と絆。
こんなに温かなトライアングルはあまりないかもしれない。

ファンタジックなお話ですけど、自らの人との関係や物事のスピードを落として丁寧に過ごそうかなと立ち止まれるきっかけになるようなお話でした。

是非ネタバレをせずに楽しんで頂きたい。
先生の作品、これからもとても楽しみにしたい。

**207ページ**
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