オメガ・メガエラ
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オメガ・メガエラ

丸木戸マキ

心震えるオメガバドラマ

2023年6月19日
作者さん買い。ポルノグラファーシリーズや、「僕らのミクロな終末」を描いたストーリーテラーの作者さんだから、読む前からこれは面白いって知ってたけど期待裏切らず、いや、期待の10倍、むっっちゃくちゃ面白かった。これだけ毎日BL読んでてかなり網羅してるつもりでも、まだ出会ってない長編で話にのめり込んで興奮でアドレナリン出まくる作品があるのね〜って嬉しくなるくらい。夜中に一気読みだとエグすぎてジェットコースター展開に感情が追いつかなくなるので、箸休めに水飲んでTwitterみて心落ち着けたくらいなのよ!

αが支配し、Ωは子どもを産むための道具として虐げられている、第一次世界大戦後くらいの時代背景で描かれている封建的な身分社会のオメガバ世界で、Ωで子どもができなかった犀門が英(はなぶさ)財閥一族の跡継ぎの第一夫人の座をいとめるために、当主の落とし胤のΩ男子を養子にとりαと偽って家族に招き入れるという、家系図必須の人間関係ドロドロな始まり。これはほんの序章にすぎなくて、巻数進むにつれてどんどん深みとエグさが増していきます。暴力シーンがほとんどないので読みやすい。

女性マンガ枠だけどBL読みお馴染みのオメガバース世界設定で男でも子どもを産むから広義の意味でBL。だけどエチシーンが入ってないといけないみたいな、変なBL縛りがないので、絡みはストーリー展開上で自然にあるのみ。レビュー少ないのはBL枠じゃないのであまり読まれてないから?なんてもったいない!そこ歩いてるBL好きの方、ぜひ読んで!!待ちに待ったカタルシスがたまんないですよ。

ただ、マキ先生、、、この展開はあまりにも、、(涙 ストーリーテラーぶりを充分に発揮しすぎ。感情アップダウン激しすぎて途中心臓止まるかと思ったわ。

ほんとは完結してから読もうと思ってて、新刊出るたびに買って(作者さん応援のため)積読してたけど、つい、手を出してしまって、でも後悔しないわ! 新刊の8巻で佳境ってことなので、たぶんあと1、2巻で終わる、はず。9巻は24年春発売予定なので、またそれまで必ず生き残る理由ができてしまった…

あ、もし全くの予備知識なしで読みたかったら、表紙でさえもみないように〜

追記) 24年夏、遂に完結!11巻の特別編まで徹夜一気読みしたこの幸せ。10巻+特別編で全て回収されました、最高でした。ありがとうございました。
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