ないしょのストーカーさん
」のレビュー

ないしょのストーカーさん

ヒロハルヨシ

どっちも狂っててどっちも良い

ネタバレ
2023年11月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ これはすごい。

ヒロ先生新刊。表紙とタイトルから絶妙にズレた闇を感じる作品でした。
完璧人間攻めとNOと言えない代表のような受け。

ストーカーの正体は早々に察しがつくのでそこは謎ではありません。
正直私個人的な感覚で言えば、受けの感情も攻めの感情も全然理解出来ませんでした。断れずにキャパ以上の仕事を引き受けてるのに自分は大事にされていると思う程認知の歪んでいる受け、段々と行き過ぎた行動がおかしいと分かっているのに自分を止めることの出来ない攻め。

全然キャラの感情は理解できないのに部分部分で妙に感情移入出来る場面があって、ファンタジーな所も多いのに何故かリアリティを感じる不思議。

本来歪んだ愛情というのは憎しみよりタチが悪いものです。
しかし受け取る側が歪んだ愛情と取るか純愛と取るかで歪んでいるはずのものが真っ直ぐになる時があるのです。
部屋を片付けられずゴミ屋敷に住むほど精神に異常をきたしているのにまだ仕事を頑張ろうと思っている角谷にゾッとしたし、外面完璧人間なのに人の部屋に毎日勝手に入って食事の支度や掃除をしてる八雲にもゾッとした笑

「勝手ながら部屋を掃除しました」
勝手が過ぎる。勝手のゲシュタルトが崩壊するくらい勝手である笑

前作でも思いましたが1話で読者を引き込む絵と漫画の上手さが顕著です。逆に言えば1話をピークに感じてしまう方がいるかも?
私は最後まで受けにイライラしつつも嫌いになれず攻めにキモさを感じながらも顔の良さに唸り時々キュンとして読み終えました。
控えめに言っても最高でした。あと1ヶ月半で今年も終わるのにまた1つ神作が生まれてしまった…!
表題作のみ200P、修正は白短冊時々白抜き。ハピエンです。めちゃくちゃ面白かったです。オススメ。
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