君と宇宙を歩くために
」のレビュー

君と宇宙を歩くために

泥ノ田犬彦

第1話が至高

ネタバレ
2023年11月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ ⭐︎誰もが出来ることを自分はスムーズに出来ない。それを自覚していても怖くて恥ずかしくて泣きそうになる。そして諦める。そうすれば、出来ないことは見えなくなるから。
小林くんは、そうして一度は諦めた自分自身を、宇野くんと出会ったことによって取り戻したくなったんだな。
宇野くんのノートは生活していく上で必要な(宇宙を一人でも歩けるようにするための)テザー。そんなテザーを自分も持てば、生き辛かった気持ちが少し軽くなるかもしれないと、小林くんが一歩踏み出す姿。表情が柔らかくなって、とても良いな。こちらまで勇気づけられます。

⭐︎第2話以降は、たった一人でも宇宙を歩く宇野くんのこれまでを垣間見る。宇野くんの強さ(敢えて強さと言いたい)は、一人に慣れることで得られた強さなのかと思うと、小林くんと同じ気持ちになる。
宇宙でたった一人。そんな淋しいことってある?
コスモスは分ければ分けるほど増えるのです。
分けても減らないものもあるんです。
宇宙船と繋がるテザーは確かに自分のもの。キラキラ輝く瞳はテザーあってこそなのかもしれない。でもその瞳がぐるぐると曇ってしまう時もあるよね。そんな時、ダチの小林くんもまた宇宙を歩いているって知っていたらどう?
そんな気付きを与えるお話。
⭐︎まだまだ癖の強いキャラクターも登場するし、楽しみです。

⭐︎新刊で、立ち読み増量中の今、タイトルの通り、至高の第1話90ページがまるまる読めてしまいます。
ガッと心を鷲掴みにされた方、勢いで本作を購入してしまって大丈夫です。間違いなく今年配信された中でトップを争う作品になるはず。
少なくとも私の中では既に今年のベスト3にランクインです。
シーモアさん、配信リクエストに応えてくださってありがとう!!!
2024/5/22に続刊予定あり。1巻は223ページ。

追記:マンガ大賞2024大賞受賞です!たくさんの人に読んでほしい作品だし、そうなりそうでとても嬉しい!おめでとうございます!
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