Life 線上の僕ら
」のレビュー

Life 線上の僕ら

常倉三矢

2人の男性の一生涯を疑似体験する物語。

ネタバレ
2023年12月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 随分前に読了しながら、思いが溢れ過ぎてなかなかレビューできなかった作品です。この度、特別番外編が出たタイミングで再読(5回目くらい)し、レビューしました。
出会う前から最期の時までを描くBLというのは初めてでした。1冊の漫画(+番外編)ながら、主人公の一生を追う朝ドラや映画のような感じ。すごく読み応えのある作品でした。一つ一つのエピソードにすごく感情移入して、西や伊東と喜怒哀楽を共有しながら読み進める感覚でした。

途中、別れのシーンは辛過ぎて胸が潰されるような気持ちになりましたが、それでも伊東を責める気持ちになれなかったのは、私が伊東に近いタイプの人間だからかもしれません。未来を勝手に想像して怖くなり、自分を守る為に本当の気持ちを偽った選択をした末に後悔する………。石橋を叩いて壊すタイプ。
西のような天真爛漫で、自分の気持ちに素直で、真っ直ぐ未来を切り開いていくタイプが羨ましくて眩しくて、そして憧れてやまないのです。
アラスカで奇跡の再会?そんな都合の良い事があるはずがないやんか、、、と思いながらも、そこで2人が再会できて良かったと心から嬉しく思うのは、自分に重ね合わせてしまう伊東が救済される姿を見たかったからだと思います。

番外編では、本編の間や前後を補うショートストーリーがまとめられていました。いずれもほっこり温かい気持ちになるものばかり。特に2人の母達が2人にマフラーをプレゼントしたエピソードは、西と伊東が家族とも繋がっていられたことを示すもので、読めてすごく嬉しかったです。
是非番外編まで併せて読んで下さい。
ときめきも切なさも悲しみも幸せも全て内包した、西と伊東の人生を、是非疑似体験してみて下さい。
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