ただいま、おかえり
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ただいま、おかえり

いちかわ壱

オメガバ、お茶の間に見参!

ネタバレ
2024年3月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 2024年春アニメにて地上波放映開始、及び多くの配信サイトにて配信です。
いや〜、いよいよオメガバースの世界が腐属性以外の領域に広がって行くのかと思うと、怖いやら恥ずかしいやら(なに目線だよ?ww)とにかく感慨深いです。

ぶっちゃけ以前読んだ時には期待していたオメガバ物語から乖離していたので評価はあまり高くありませんでした。
しかし今回再読してみて、時代がこの作品に大きな意味を持たせてくれたな〜と思いました。

内容は、αΩ夫夫が昔は色々あったけど今は子育てして幸せを噛み締めている、ってだけです。これは男女の夫婦に置き換え可能なお話だと思います。
「置き換え可能」ということは、男女の夫婦も男同士も根っこは変わらないのだ、と実感できるってことだと思うんです。

統計によると今や同性婚に賛成する人の方が圧倒的に多くなっています。同性にまつわる判例もマイノリティに味方する結果が目立ち、法の整備もそう遠くないのではと思います。
が、実際隣に同性の夫夫(または婦婦)が越してきたら我々は冷静に普通の対応ができるのか?いささか自信がないのでは?
そこを理性を持って良い隣人となるために、知識の他に実感が必要ではないのかと思いました。

今作はそのハードルを易々と超える手助けをしてくれると思いました。
努力して幸せな家庭を築く。自分もパートナーも子どもも、互いの幸せを守る。「普通」とされている夫婦と何にも変わらないです。

それなら子育てBLだけでいいのですが、そこにΩという性差による不平等があるという設定が、現在のポリコレを含む世界の多様性を求める動きに合致したと感じました。

今作はシリーズで複数巻出ており未だ連載半ばです。
アニメが成功し、続編もアニメ化されるよう願っています。
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