このレビューはネタバレを含みます▼
数ページ読んだだけでもう泣きそうになりました。何回も何回も心臓ギュウギュウ絞られる。ああ…これを求めていたのです。久々に得られました。
樋口作品の受けはだいたい、不遇で弱々しく、しかし愛することには粘り強い、という子たちなんですが、本作の望はアダルトチルドレンの傾向が顕著に思われて、BLとして読むにはちょっと辛かったです。(ここの望の思考パターンが受け入れ難いと、低評価になってしまうのかもしれません。)なので、望の埋められない孤独の穴を小さくして心を安定させたのが、俊一ではなくて家族だったというのが、私的にはスッキリ納得できて良かったです。
それにしても、望の愛に決して応えない親友という立ち位置のくせに、高校時代から時々キスはしていたという事実に驚愕。何がしたいんや俊一!(この辺は、続編「ぼうや、もっと鏡みて」を読まなければさっぱりわからなかった)別れ話をしに出て行ったはずなのになぜ彼女の匂いを纏って帰ってくるのだ俊一!DV男ホイホイの望にもビックリだが、俊一もかなり酷いな?こんな男とべったり幼馴染で片思いだとか望の10代は地獄か。だがしかし俊一彼女の立場になって見てみよう。付き合ってる男にこんな幼馴染おったらそれも地獄やでな。彼女が望を邪魔に思うのは当然である。彼女なんも悪くない。
受けが思ったよりビッ…経験豊富で、攻めが思ったよりク…暴君でしたが、こちら不憫受け読んで「これ病院受診必要か?」って慌てるくらい心臓ギリギリいわすのが性癖ですので、たいへん美味しくいただきました。