黄昏アウトフォーカス
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黄昏アウトフォーカス

じゃのめ

ポエミーBLがこんなに面白いとは

ネタバレ
2024年7月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 映画部シリーズの第1作目です。アニメからいらっしゃった人はせめて続編の「残像スローモーション」までお読みになることをおすすめします。

◇◇◇
男子校・寮生活・2人部屋同室!
三種の神器か!!と希望膨らむ美味しい設定。すっごく楽しめました。

じゃのめ先生といえば、少女趣味的な独白が個性際立つ作家様だと思います。それがクサイとならなず、作品に沿って馴染んでいるのは、作品自体が少女漫画のセオリーを上手く生かしているからだと感じます。

BLなので主たるテーマは男同士の恋愛なので、多くは壁になって一喜一憂しています。
しかし本作は主人公・真央の気持ちに素直に共感でき、真央=自分として楽しめる。優しくて心に傷を持つ理想的なイケメン・寿にされちゃうあんなことやこんなことにいちいちドキドキしてしまう。
自分の気持ちに気づいてしまった悲しみの表現、その後に続く気持ちの揺れ、そして噛み締める幸せよ…泣。
その他諸々、少女漫画のセオリーをBLに落とし込む手腕たるや!感謝感激バンザイバンザイ!なのです。

そしてキャラの絵柄が今作以降劇的に洗練されていると思いました。特に人物を見上げた構図と見下ろす構図がステキです。これぞ求めている美しさ、少年期から青年に変わる一瞬しかない輝きを映して下さったなぁと思うのです。
◇◇
あと大事なことですが、イチャらぶガッツリあります。そこは逆に写実的では?と思ってしまうのは、全体的にポエミーな中だからかな?大満足です。

作品タイトルと綺麗に重なる本編ラストも感動的でした。

とっても気になる個性派バイプレーヤー市川くん。彼の活躍は続編で。

松岡くんの真央役ヤバいですね〜内田くんともども今や大人気のお二人が主役って、ドラマCDからの配役だったんですね。
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