美しい彼
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美しい彼

凪良ゆう/葛西リカコ

感動に心とレビュー打つ手が滾る【4巻追記】

ネタバレ
2024年7月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 小説のレビューって難しい。。。作家さまが文字にした物語が脳内で映像として鮮やかに再生され心に刻まれたものを再び私の拙い文章力で文字に起こさなければならないので、恐れ多いし気後れするしで普段はなかなかレビューできないのですが。。。
そんな事言ってらんねぇ!今この感動を伝えなければ………!!と心とレビュー打つ右手が燃えたぎるほど最高の作品でした。(前置き長過ぎすみません)
やるべき事を全て放置して一気に読んでしまった1〜3巻。平良と清居、2人の主人公の、主に高校2年生からの5年間の物語を強烈な鮮やかさと瑞々しさで描いた作品でした。私は平良とも清居とも全く違うタイプの人間で、この両極端なキャラのどちらの思考とも重なる部分は少なく、第三者目線から物語を追うことになる…のかと思っていたのですが、気が付けばどこまでも2人に共感し、平良サイドの進行時は平良に、清居サイドの時は清居に乗り移ったかのように読み進めている自分に驚きました。
ピッタリとハマりそうで全然ハマらない2人。個性的過ぎる2人の恋模様にジレジレさせられながらも、あぁこの2人はこの2人じゃないとだめなんだ、と納得させられるお見事なラブストーリーでした。
私は3巻が特に好きでした。誰しもが持つ不安や畏れ、憧れ、羨望、嫉妬、葛藤、夢、迷い。いつの間にか飲み込まれる同調圧力や世の中の風潮、時の流れ、抗い難く存在する権力。
個性的過ぎる2人が、誰もが漠然と感じ、流して流されて行く様々な感情や風潮にただ流されることなく、自分の信じる方向に懸命に前進する姿が眩しかった……。そしてその生き方の根底に、お互いへの(重すぎる)愛があるのが尊かった…。
この世の、BLを愛す全ての民に読んで貰いたい作品です。小説はちょっと…という方も、すごく読みやすい文章なので是非一度試し読みしてみて下さい。

【4巻追記】4巻も最高でした……。着実に成長し、愛を深める2人にこれからも熱いエールを。平良の命を救い、進むべき道へ導いた最高の師匠、野口さんに心からの敬意を。
素晴らしい作品を生み出し続けてくれる凪良ゆう先生に最大の拍手と謝意と愛を贈ります。
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