夢で逢えたら覚悟して
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夢で逢えたら覚悟して

ドンドン

唯一無二のドンドン先生パワーの凄さ

ネタバレ
2024年8月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ ドンドン先生の新作ということで、ワクワクして読み始めたら、これがあっさり期待値越えしてくる、先生ならではの発想を具現化した、笑えて、でも胸がギュンとなるファンタジー作品でした。

人間と悪魔が共存して数百年経った世界が舞台。そこで、夢魔の望は、大学では自分が夢魔ということを隠して生活しながら、客が希望する夢を見せてあげる夢屋で、自分の夢魔としての能力を活かしてバイトをしている。この夢を見せる仕組みの描写が人の深層心理に関わるものであるところが、夢魔の特殊能力ならではなのだけど、望は、心は純粋なのに、意図せずマイノリティーとして特殊能力を持ってしまったがゆえの心の傷を抱えている。それが無邪気な幼少期の思い出と対照的に描かれていて、単なる夢々しいファンタジー物語となっていないのが良いのです。

攻めの大学生黒曜は、登場した瞬間から望に好意を抱いているのが分かりやすいワンコ!だけど、黒曜の見る夢だけは、望がコントロールできなくて…無茶苦茶羞恥する望と、キョトンとしている黒曜のマッチポンプがクセになる、夢のシーンのファンタジーさ&変化する望の気持ちにキュンキュンが止まらん!
そして、夢のシーンに出てくる、色んなキャラが、あぁ、もうこれはドンドン先生にしか生み出せないよ…と脱帽する、ゆるさと面白さなんです!

ラストにかけては、過去を思い出し、罪悪感で落ちていきそうになる望を救う黒曜の、熱い告白…からの、熱々のエチシーンがですね、日頃純情な望が、あれ、いん魔だったっけ?てか、いん魔の素質あるんじゃね?と突っ込みたくなるほど、振り切れてエッチな姿をさらしてくれてて、いや、こんなに笑えて、泣けて、ほっこりして、しかもエッチでって、いいんですか???…というよく分からない全私からのツッコミが止まりませんでした✨

実は夏風邪にやられて、どのBLを読んでも何も感じない、BL不感症になってしまっていたのですが、この作品だけは、楽しく読めたのですよ…。なんなら風邪もちょっと良くなって。ドンドン先生パワーすげえ…ってなったことを告白します。
ということで、新感覚のファンタジー&ギャグのばっちり効いてる作品読んでみたいわ~、ならおススメです!
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