夜明けがいちばん暗い
」のレビュー

夜明けがいちばん暗い

山田ノノノ

無邪気とピュアと純情と

ネタバレ
2024年12月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 高校の時の担任に「お前は、このまま変わらんで欲しい」と言われたことがありまして。
当時は「なんで?わたしは成長していきたいけどね〜」って返した記憶があるんですが、社会に放り出されてから、その言葉がよく解かるようになりましたよ。
その担任の先生と会えた時、私はなんて言われるんでしょうか。変わらないなのか、変わった…なのか。
聞くのが怖いですね。

さて、このお話は「人の弱い部分」を正確に突いてくるのでメンタルがフラットな時に読むのをオススメするかな…あと、引きづられそうになったら休憩しながら読んでね。
弱い部分から逃げることが悪い訳では無いです。辛かったら逃げてもいい。どういった逃げ方をするかは人それぞれです。
ただ安心してほしいのは本作のタイトルが「夜明けがいちばん暗い」ですが、反対を言えば混沌たる黒が空けるのも夜明けという事です。明けない夜はない、それだけを信じて読んでください。

これは、もう語るよりレビューを読むよりも、読んで欲しいかな。
苦しみ抜いた人に幸せが舞い降りてきて欲しいんですよね本当に。本当に、そう思うんですね。
良くも悪くも欲がたくさん描かれた本作において、一際輝くタカヤの存在。
因果応報じゃないけど、選んだからこその罰やご褒美がキチンと描かれてて安心したけども、本来は警察介入させた方が…とか、ホスクラオーナーや先輩が助長させる前に止めなかったのも原因あるよね?(でもアレで出禁にできたから最悪を迎えなかった訳だから、結果オーライというか)とか、そういった現実的な甘さというかそういうのも垣間見えるのも魅力なのかな。
隙があるのも人間だもの。

社会や人に揉まれ、本来生まれ持ってきた大切なモノを擦り減らしてきたからこそ、タカヤという存在はより一層眩しく感じられるんじゃないかな…

…何かいつも以上に纏まりがなく、泣きそうというよりは胸がいっぱいになっちゃって、よりフワフワしたレビューになって申し訳ないですが、紙の特典、買いに行きたいと思います。

巻末の先生のコメントまで是非、読んで欲しいな。次回作楽しみにしてます!!


最後になりますが、先生の心が随所に籠められた一作、是非、皆様に読んで欲しいです。
読めてとても幸せでした。ありがとうございました。
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